BACHが編集・企画をする兵庫県城崎温泉の出版NPO「本と温泉」。第三弾となる本作は、『告白』『少女』『白ゆき姫殺人事件』などで知られる湊かなえによる書き下ろし短編小説。著者が何度も滞在した城崎での記憶を背景に描かれた、小説家の母を持つ娘の物語です。付き合っていた男と別れ、5年務めた会社を辞めた主人公は、10年ぶりに城崎温泉を訪れた。こころにポッカリと空いた「何か」を埋めるために。思い出の地で彼女は何を見つめ、何に気づいたのか。温泉と蟹が記憶のトリガーとなり、喪失したこころをやすらげる、あたたかな短編です。装丁は、本物の蟹の殻を思わせる特殊テクスチャー印刷。茹で蟹の足からスッと身を抜くように箱から取り出し、小説の世界をじっくり味わってみてください。

著者:湊かなえ
編集:BACH
装丁:本庄浩剛
発売日:2016年7月1日
価格:1,200円(税込)

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